「ドラゴンボール」や「Dr.スランプ」などの名作を生み出してきた漫画家の鳥山 明さんが、2024年3月1日に急性硬膜下血腫のため亡くなっていたことが分かりました。
68歳という若すぎる突然の訃報に、驚きと悲しみが止まりません。
心よりご冥福をお祈りします。
今回は追悼の思いを込めて、鳥山 明さんが制作に携わったゲーム「トバル No.1」をご紹介します。
鳥山 明さんはドラゴンクエストのキャラクターデザインをされていることでおなじみですが、その他にも「クロノ・トリガー」や「ブルードラゴン」など、様々なゲームにおけるキャラクターデザインを担当されています。
その中でも「トバル No.1」は青春時代に夢中でプレイした、個人的にもっとも思い出深いゲームです。
どうぞ最後までご覧ください。
記念すべきスクウェアのプレイステーション初参入作品
「トバル No.1」は、スクウェアのプレイステーション初参入作品として1996年8月2日に誕生しました。
実はかなり記念すべき作品で、豪華な開発陣や斬新なゲームシステムで注目を浴びました。
特に3D格闘ゲームの基本を踏襲しつつ、斬新なシステムを導入し、さらに「クエストモード」の探索要素が融合したハイブリッドなゲーム内容は、後の同メーカー作品にも大きな影響を与えました。
その斬新なシステムと独特の操作感は、今なおその魅力が色褪せることはありません。
一方で、「トバル No.1」には当時発売前であった「ファイナルファンタジーVII」の体験版が付属するとして注目を集めた作品でもあります。
正直なところ、多くの方が「ファイナルファンタジーVII」体験版を目的に購入していたことでしょう。
恐縮ながら、かくいう私もその一人でした。笑
ゲーム業界のレジェンド達が手掛けた傑作
「トバル No.1」は、3D格闘ゲームの元祖「バーチャファイター」や「鉄拳」シリーズに携わったスタッフが集結して設立した「ドリームファクトリー」によって手がけられています。
いわば「3D格闘ゲームのサラブレッド」として誕生したワケです。
酸いも甘いも嚙み分ける、ベテラン勢のスタッフ陣によって精巧に作りこまれた、非常に高いクオリティーと斬新なアプローチが特徴となっています。
加えて、「光田 康典」さん・「川上 泰弘」さんなど豪華な音楽制作陣の参加により、さらに作品に魅力を与えています。
すでに、ドラゴンボールの「天下一武道会」を彷彿とさせるようなカッコいいゲームジャケットからワクワクさせてくれて、ジャケ買いの意欲すら刺激してくれます。
ドラゴンボールの世界の地球ではアラレちゃんたちがいる「ペンギン村」が存在したように、実は「惑星トバル」も地続きでドラゴンボールの世界に存在しているのではないか?と、期待せずにはいられません。
または、本記事タイトルのように「ドラゴンボールのパラレルワールド」という設定でもワクワクしますね。
幅広い人種・種族・性別・年齢など、強烈な個性を放ったグッとくるキャラクターデザインは、ドラゴンボールを超越するほどのインパクトがあります。
特にラスボスの「ウダン皇帝」には、ドラゴンボールのフリーザに通づる恐怖を感じました。
サイズが大きめのボスたちが続いて、最後に小さい姿の「ウダン皇帝」が出てきた時には、フリーザの形態変化を思い出しましたね。
あとは、最近のドラゴンボールで言えば「ビルス様」にそっくりです。
ビルス様が登場したときは「どこか既視感があるな」と思ってましたが、それもそのはずでした。笑
この辺りを踏まえても、「トバル No.1がドラゴンボールのパラレルワールド」と言っても過言ではないように思えます。
なお、隠しキャラクターとして鳥山 明さん自身がモチーフとなっている、おなじみの「鳥山ロボ」も登場します。
そして、「鳥山ロボ」は圧倒的な強さを誇ります…!
懐かしさと新しさを兼ね備えた、進化したゲームシステム
「トバル No.1」のゲームシステムは、3D格闘ゲームの基本を踏襲しつつも、3つのボタンに上段攻撃・中段攻撃・下段攻撃が割り当てられ、格闘ゲーム初心者でもわかりやすい仕様になっています。
そのため、複雑化させるような「パンチ」や「キック」などの攻撃を細かく分けることなく、直感的な操作を実現しています。
特に注目すべきは、“つかみ”という要素で、シンプルな操作ながらもアツい駆け引きが楽しめ、戦略性が際立っています。
加えて、戦闘フィールド全体を活用した戦略的なプレイも魅力的です。
当時としては珍しい、戦闘フィールドを自由に移動できるシステムには、圧倒的な解放感と自由度を感じました。
「クエストモード」などの魅力的で奥深いゲームモードの数々
本作は単なる格闘ゲームにとどまらず、「トーナメントモード」や「クエストモード」など、多彩なゲームモードが用意されています。
「トーナメントモード」では、強敵との対戦を通じながら、自身の腕を磨くことができます。
特に注目すべき「クエストモード」では、アクションRPGの要素を取り入れ、プレイヤーはダンジョンを探索しながら敵と戦い、アイテムを収集して成長していきます。
自分だけのキャラクターを育てる喜びを味わうことができる上に、ダンジョン探索やモンスターとの戦いなど、本編とは異なる要素でプレイヤーをさらに楽しませてくれます。
この「クエストモード」が、他の格闘ゲームと一線を画する要因の一つとなっており、大きな差別化を図っています。
自動生成ダンジョンが登場するように、「風来のシレン」や「トルネコの大冒険」に代表される「不思議のダンジョン」を彷彿とさせる、いわゆるローグ系の内容です。
この「クエストモード」だけで一本のゲームとして成立するほどの面白さで、当時は夢中でプレイしました。
なお、「クエストモード」は続編の「トバル2」でも登場し、より明確なストーリー性を持たせることで魅力が増したほか、キャラクターの増加・アイテムの調合・モンスターを捕獲してプレイキャラとして扱えるなど、ファンを飽きさせませんでした。
まとめ
「トバル No.1」は、豪華な制作陣によって生み出された究極の格闘ゲームであり、極上のエンターテインメントです。
その斬新なゲームプレイと多彩な要素は、今もなお多くのファンを魅了し続けています。
個性的かつ魅力なキャラクターたちと独自の世界観は、プレイヤーを魅了し続けています。
なお、スクウェア・エニックスの新社長「桐生 隆司」さんも本作を思い出のタイトルとして挙げており、リメイクの動きも期待されます。
現在でも手に入るのはパッケージ版のみであり、ダウンロード版がない敷居の高いはありますが、未プレイの方はぜひ遊んでみて下さい。
これからも「トバル No.1」の魅力は評価されて、未来への期待を胸に、ゲームプレイヤーたちに新たな興奮を与えてくれるでしょう。
物語の舞台となる2048年の惑星トバルまで、あと数十年です。
2048年の遠くない未来で、多くの方と「トバル No.1」をプレイし、本当に「物語の舞台」を作り上げられることが楽しみです。
今から皆で腕を磨き、2048年の地球を「惑星トバル」に変えて、格闘大会「トバルナンバーワン」を開催しましょう。
以上、サルルーンでした!
ではでは、したっけね~!
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