ジャズ・フュージョンの名曲「Proto Cosmos」。
セッションの場でも、たびたび演奏される大人気の楽曲です。
そんな「Proto Cosmos」ですが、我々ギタリストとしては「アラン・ホールズワース」(Allan Holdsworth)のイメージが強く、「Proto Cosmos」=「アラン・ホールズワース」の縮図が出来上がっている側面もあるでしょう。
しかし、先述のとおりセッションなどでも頻繁に取り上げられる楽曲であるため、実際には数多くのプレイヤーによって演奏されている楽曲です。
ということで、今回は様々なミュージシャンが演奏している「Proto Cosmos」を聴き比べましょう!
あらゆる「Proto Cosmos」を集めましたので、「Proto Cosmos」ファン(?)の方は必見です。
どうぞ最後までご覧ください。
「Proto Cosmos」って誰の作品?
聴き比べする前に、そもそも「Proto Cosmos」が誰の作品なのか、念のため確認しましょう。
先述のとおり、「Proto Cosmos」=「アラン・ホールズワース」のイメージが強いため、アラン・ホールズワースの作品では?と思われる方も多いかと思います。
しかし、実際にはアラン・ホールズワースの作品とは言い切れません。
「Proto Cosmos」とは?
伝説のドラマー「Tony Williams」のバンド、「The New Tony Williams Lifetime」によるアルバム「Believe It」に収録されている楽曲です。(3曲目に収録)
作曲者はバンドに参加しているキーボーディストの「Alan Pasqua」。
そして、このバンドに参加しているギタリストが「アラン・ホールズワース」で、今でも好んで十八番のナンバーとして頻繁に演奏しているワケです。
「Proto Cosmos」を聴き比べ!
それでは実際に「Proto Cosmos」を聴き比べていきましょう。
「音源編」と「映像編」に別けて紹介します。
音源編
オリジナル
まずは、原曲とも言うべきオリジナルから。
ロングトーンを多用した落ち着いた入りからスタート。
少しずつ温度を高めていき、十八番の超絶技巧と滑らかなレガートプレイを展開。
時折、緊張感ただようプレイも挟みつつ、バランス良い演奏が楽しめます。
とはいえ、ライブ版を聴き慣れていると、尺の短さから少し物足りなさを感じます。
あらためて現時点においても異次元のテクニックとセンスだと感じざるを得ません。
Extraction
次に紹介するのは、ギタリスト「グレッグ・ハウ」、ベーシスト「ヴィクター・ウッテン」、ドラマー「デニス・チェンバース」が参集したプロジェクトによる作品「Extraction」から。
本家の「アラン・ホールズワース」にロック色を強めて、よりキャッチーにしたような印象。
とはいえ、あいかわらずのバカテクぶりとタッピングを駆使した音飛びは圧巻です。
そして、音の処理がなんともセクシーで、個人的にはフレーズの最後に「グレッグ・ハウ」節をもっとも感じます。
しばしば起承転結の少なさは感じるものの、終始スリリングで緊張感ただよう「グレッグ・ハウ」のプレイが最高です。
LIVE PROTO-COSMOS / アラン・ホールズワース
次は、伝説のドラマー「Tony Williams」の没後10年に、「The New Tony Williams Lifetime」のメンバーが集結して世に放った作品から。(ライブ盤)
序盤から難解な音使いでリスナーの耳を惹きつけてくれます。
飽きるほど演奏してきたであろう「Proto Cosmos」ですが、良い意味で期待を裏切るプレイの数々により、リスナーも新鮮な気持ちで楽しめます。
あいかわらずレガートな速弾きは健在ではあるものの、全体的に落ち着いた印象で、熟練したプレイが聴きどころでしょう。
さすが本家、貫禄があります。
ゼン!ライヴ・イン・トーキョー1990 / アラン・ホールズワース
次は、アラン・ホールズワースのライブ盤から。
アラン・ホールズワースが続いて恐縮ですが、これが個人的に一番大好きな「Proto Cosmos」のベストテイクです!
テクニック・音色・起承転結、どれも素晴らしく、いつ聴いても鬼気迫る奇跡的なプレイに興奮します。
そして、最後に「お辞儀」をしているかのような丁寧な出口で締めるジェントルマンぶり。
もう、たまりません。
Aldo Boneswurst
音源編、最後にご紹介するのは謎のアーティスト「Aldo Boneswurst」。
プロフィールは以下のとおりで、どうやらギタリストのようです。
「Aldo Boneswurst」プロフィール
ボーンフォード生まれのギタリストで、Ye Olde Bone Pie Establishmentの元従業員。
ヨーロッパ全土で数件の犯罪で指名手配中(現時点では犯罪は未公表)。
DJ Gokuのセッション・ギタリストとして、またライブ・ギタリストとして活躍するアルドは、友人のベーシスト、ウィリアム・E・ポンデュスと組み、デビュー・アルバム「Boneswurst Y Pondus」をリリースした。
(※公式プロフィールを翻訳して引用。)
ギターの素晴らしさもさることながら、打ち込みを多用したリズムセクションやシンセサイザーの導入など、従来の「Proto Cosmos」とは異なった大胆なアプローチと世界観が楽しめます。
現代的な解釈の「Proto Cosmos」は、これから先の「楽曲の進化と未来」や「伸びシロ」を感じさせてくれます。
映像編
続いて、映像編を一気にご紹介します。
超絶技巧が放たれる手元を観ながら、実際に演奏している姿と共に「Proto Cosmos」をお楽しみください。
意外にも日本人プレイヤーが多いことに驚きます。
また、手が小さいとはいえ、「アラン・ホールズワース」にも負けず劣らずの超絶プレイを聴かせてくれる姿に感動することでしょう。
アラン・ホールズワース
グレッグ・ハウ
アレックス・ハッチングス
矢堀 孝一さん
菰口 雄矢さん
関よしのり(関 芳徳)さん
丸本 修士さん
國田 大輔さん
鳴海 賢治さん
まとめ
ジャズ・フュージョンの名曲、「Proto Cosmos」の聴き比べでした!
本家の「アラン・ホールズワース」に負けず劣らずの素晴らしいプレイばかりですね。
異なる解釈から生まれる個性豊かな演奏によって、より一層「Proto Cosmos」を楽しめました。
ぜひ、あなたもお気に入りの「Proto Cosmos」を見つけてくださいね。
以上、サルルーンでした!
ではでは、したっけね~!
コメント